2017/07/09
田舎暮らし予備校
路線価が発表されました。土地の価格が分かるの?


『7月1日路線価が発表されました。公示地価とどう違うの。』

田園イラスト 公の機関が発表する不動産の価格には『公示地価』『路線価』『基準地価』さらに一般には公表しないが目的によって閲覧できる『固定資産税評価額』があります。それぞれは発表する機関、時期、目的が違います。それを理解すると違いが良く分かります。それでは順番に説明したいと思います。

『公示価格』国土交通省3月中旬公共事業用地の収用するときの算定基準、一般の土地取引の取引価格の参考として発表します。国土交通省は地価公示法に基づいて毎年1月1日の定められた標準地の価格を2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価によって決定します。
『路線価』国税庁7月1日相続税、贈与税などの算定基準として発表します。国税局は相続法に基づいて毎年1月1日の一定の距離をもった路線に対して価格を決定します。土地の評価額が接する道路によって決まるので土地の形状によって補正をします。
『基準地価』都道府県9月20日ごろ公示地価と同じような目的で発表します。違う点が三つほどあります。公示価格は都市計画区域内を主な対象とする標準地について決定されています。これでは不十分です。都道府県は国土利用計画法施行令に基づいて都市計画区域外の土地にも基準地を定め毎年7月1日の基準地価を決定しています。
◎『固定資産税評価額』市町村3年に一度、土地の固定資産税を算定するため固定資産課税台帳に登録します。市町村は年度初めに固定資産税納付通知書と一緒に課税資産明細を不動産の所有者に送付します。それに固定資産税評価額が記載されています。固定資産税評価額は固定資産評価の基準となる『固定資産税路線価』から算定され『都市計画税』『不動産取得税』『登録免許税』などの課税標準にもなっています。

田園イラスト 四つの土地の価格が大まかに理解できたと思います。一言でいえば、各省庁、都道府県、市町村の目的、税金を算定するための土地評価額と言うことができます。ほんとうはもう一つ不動産の価格があります。『実勢価格』すなわちいくらで購入できるのか、いくらで売れるのか、その地域の土地の価格は上がっているのか下がっているのかと言う価格です。
それでは『公示価格』『路線価』『基準地価』『固定資産税評価額』『実勢価格』の各価格の比例関係をお話します。まず『公示価格』『基準地価』は基準時期が半年ずれていますが目的が同じで、標準地、基準地という違いはありますがほぼ同じ価値基準と考えていいと思います。次に以下の式を記憶してください。
『公示価格』『基準地価』×0.8=『路線価』
『公示価格』『基準地価』×0.7=『固定資産税評価額』
ほぼこの比率で『路線価』『固定資産税評価額』は決められています。すなわち相続税、固定資産税は公示価格の8割、7割を基準として計算されています。実際にはさらに種々の減税措置、特例によって低い評価額で計算されています。話が飛びますが空き家問題で話題になっている200㎡までの小規模住宅用地は評価額が1/6になります。ですから空き家を壊して更地にすると固定資産税が6倍になるという理屈です。ある土地の取引価格が決まる過程において『公示価格』が一つの基準になります。『公示価格』は国土交通省が過去1年間の統計資料を基に標準地における価格を算出したものです。ですから標準地と比較して土地価格を推定することができます。ですが取引価格はそれだけでは決まりません。その土地を売りたい人の立場、その土地を買いたい人の立場、その時の経済状況、その土地周辺の売買契約成立の価格の動向とかによって価格は大きく変動します。たとえば遺産相続のため土地を早く現金化した時は価格は下振れします。ビルの建設が軒並み進んでいる商業地域では年30%以上の価格上昇が考えられます。反対に過疎の住宅地では路線価を下回る価格でも買い手がつかないことがあるものです。公示価格を発表している国土交通省でも民間で取り決めた取引価格に異議を挟むことはありません。実勢価格とは以上のような背景を持った価格です。すなわち買い手と売り手が合意した価格であるということです。株価と同じような性格を持っています。株価が3倍に吊り上がっても納得して売っている人がおり、納得して買っている人がいるから価格が成立するのです。

田園イラスト 次は土地の『査定価格』『鑑定評価額』の違いをお話ししたいと思います。ある人が自分の土地と家屋を売りたいと思い不動産業者に相談したとき、売り出し価格を設定するために価格査定をします。これが『査定価格』です。多くの場合色々の機関が提供している価格査定マニュアルを用いて算出しています。具体的には蓄積されている取引事例の価格と対象となる不動産を比較して価格水準を査定します。さらに市場全体の動向を加味して補正をします。取引事例比較法と言います。これをもとに売り主の希望を考慮した『希望価格』に沿った『広告価格』を設定します。ここまでは具体的な買い主を想定しない売り手側の考えに基づいた価格です。よく不動産業者のホームページにあなたの売りたい物件の価格査定をしますという文句を見かけます。この査定価格の根拠は曖昧です。この価格で売れるという保証を示しているわけではありません。例えばその不動産業者が仲介業者であれば査定価格を高くして仲介契約を多く取りたいと考えるでしょう。また買い取り業者であれば売却できる価格による利益を考えた低い査定価格になることが考えられます。いづれにしても売りたい人と買いたい人では査定価格は異なります。そこで売り手にも買い手にも偏らない客観的な交換価値を表す『正常価値』である『鑑定評価額』を出す必要に迫られることがあります。国家試験を通った不動産鑑定士がそれを行います。ところが鑑定士に不動産鑑定を依頼するとかなり高額な金額がかかります。相続、企業の価値評価など不動産の経済的価値である効用、収益性等も検証した客観的価値が求められる時には鑑定士に依頼しますが、一般の不動産取引では価格査定で進めます。たとえ買い手を無視した価格設定をしても、高いものは売れない、更に価格交渉が行われるという経済的力学が働くことになります。中古自動車の価格査定とは趣を異にすることを承知する必要があります。

地方の物件を探す
メールマガジン登録する
ページの上部へ戻る